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Google Workspace Businessのすゝめ
PCを使っていると,必ずどこかしらのタイミングでストレージ足りない問題に遭遇しようかと思われます。私は,中学校まではHDD,高校・大学は,学校が契約している実質無制限OneDriveの恩恵をありがたく享受していましたが,2024年夏のタイミングで大学OneDriveの容量が,無制限からまさかの10GBまで縮小されてしまいました😭
(参考:Microsoftのポリシー変更アナウンス)
そこでストレージ難民となってしまったため急遽クラウドストレージ探しを行い,現在は**「Google Workspace Business」(月:1,600円/年:19,200円)**を使用しています。使ってみてとても満足のサブスクサービスだったのでおすすめポイントを紹介します。

クラウドストレージ(2TB)が充実・使いやすい
第一のおすすめポイントはクラウドストレージの安さ,使いやすさです。契約中の「Google Workspace Business」は月額1,600円で2TBのストレージが付帯しています。iCloud+の2TBプランが月額1,500円,DropboxのPlus(2TB)プランが月額1,200円であることを考えると,クラウドストレージだけの値段では若干劣後しますが,後述のサービスの充実度合いを考えると,十分に元がとれる,むしろ良心的な価格設定だと思います。
さらにクラウドストレージとしての使い勝手を考えてみても
- OSを選ばず使える
- iCloudやOneDriveだと,他OSで使う時の使い勝手が少し劣る
- ファイルの共有がしやすい
- ブラウザでの閲覧時に,「スターをつける」「フォルダの色を変える」「ショートカットを設定する」「ドキュメントを開いたときにGeminiが要約を表示してくれる」など機能性に優れる などなど,使い勝手に優れています。
Web会議,電子署名など便利機能が付帯している
本プランでは,Googleの無料・個人プラン(Google One)には無い,以下のような機能が付帯しています。
- Google Meet(ウェブ会議)での拡張機能:具体的には……
- 150人・24時間までの会議が可能になる(無料プランでは,3人以上は60分までという制限がある)
- ノイズキャンセリング機能をオンにできる
- 屋外のザワザワした環境から通話する時に効力を発揮
- 会議を動画で保存できる
- アンケート・Q&A・挙手・ブレイクアウトルームが使用できる
- Google カレンダーで予約機能を使用できる
- Meetと連携して,1対1の打ち合わせをしたい時に,URLを相手に渡すだけでスケジュール調整・Meet URLの発行ができて便利。
- Google ドキュメントとPDFの電子署名機能を利用できる
- 私の場合,それほど使用する機会はなかったが,やり取りをしたことを「メール・チャットの文面やり取り」以上に残しておきたい場合,何度か使用する機会があった。
- Google ドキュメント・スライドで,テンプレートを保存しておける
- 実は無料・個人プランでは,いわゆるWordのスタイル,Powerpointのテンプレートを保存できず,毎回適当なファイルを複製して再活用する必要があったが……
- 本プランの契約によりテンプレートをクリック一つで簡単に再利用できるようになった。
恩恵が大きいのは,やはりGoogle Meetでしょうか。MTG時の制御機能も充実していて,相手にはURLを渡すだけで(クライアントソフトをダウンロードしなくても)使えるのでとても楽ちんです。
こうしたツール単体で契約することなく(Office365だとTeamsは使えるけれど……),プランの中でさまざまな機能が使えるのは,使い勝手の面でも,経済的にも優れていると思います。
カスタムドメインのメールアドレスが使える
Google Workspace Businessの契約では,カスタムドメインのメールアドレスを使います。逆に言えば,契約にあたっては適当なドメインを用意・維持する必要があります。
私はCloudflare Registrarで,年間10ドルほど支払ってokuyamaleo.comを契約しています。

このメリットとしては,不真面目なものだと,メールアドレスから所有感・特別感を感じられる((( 真面目なものだと,30個までメールアドレスを発行・管理できて便利(例えばdesign@example.com・support@example.comのように)というものがあります。
(ちなみに,Googleの個人・無料プランでも,ユーザー名に対して+をつけてエイリアスを作る方法(example+test@gmail.com),ドメインをgooglemail.comに変える方法(example@googlemail.com)で,複数のアドレスを利用することはできます。)
Gemini・Notebook LMを使える!
最後にあげるメリットの恩恵が一番大きいです。Google Workspace Businessでは,Gemini・Notebook LMを使い倒すことができます。セッション回数に関しては明示されていませんが,私の使い方では一度もリミットに到達したことはありません。
もし,個人プラン(Google One)で契約しようとすると,Google AI Pro(2TBのストレージ他いくつかの機能が付帯)を月額2,900円で契約することになります。あるいは,ChatGPTのPlusプランを契約しようとすると,月額20ドル(ざっくり月額3,000円)がかかります。ところがどっこいGoogle Workspace Businessでは,前述の多種多様な機能がついて,その上優秀なGemini 3(記事執筆時点)が使えて,たったの月額1,600円です。正直,Googleが価格設定を誤っているとしか思えない値段設定です。

移行にあたっての疑問
既存のファイルストレージ・メーラーからの移行は簡単か?
私の場合,新しく契約するにあたって,ファイルをOneDrive(400GB程度)から,メールを個人Gmailから移行する必要がありました。
その際,ファイルに関しては一度Onedriveのファイルを全てローカルに落として,手動で再アップロード,Gmailに関しては「Google Workspace Migrate」を用いて転送することで比較的簡単に移行を済ませることができました。かかった時間で言えば1日ほどだったと思います。
ただし転送で済ませず,しっかりユーザーID・メールマガジンの配信設定等を変えたい場合には,元サイトに行ってID・配信アドレスを変える必要はあるので,そこは少し手間かもしれません。これは100サービスほど変えた気がしますが,3時間程度の時間を要したと思います。

Googleのオフィススイート(ドキュメント・スプレッドシート・スライド)は,Microsoft Officeと比べて使い勝手はどうか?
総じて,一般的な用途ではほとんど問題なく使用できると思います。が,全体的に機能の充実度で言うとMicrosoft Officeには一歩劣ります。個人的に最もGoogleのオフィススイートでの不満を感じる点は,フォントを自由に選択できないことです。
ドキュメント vs. Word
- 総評:Markdownライクな使い勝手なのはドキュメントの長所だが,フォントが自由に選べないのが痛い(特に明朝体)。
- ドキュメントの長所
- Markdownとの親和性が高い。(#を用いて見出しをつけられる,Markdownとしてコピー・貼り付けができる)
- チャットAIの出力はMarkdownで行われることが多いため,それをコピペして取り込めるのは非常に便利。
- ドキュメントタブ機能が素晴らしい。
- 例えば,1つのドキュメントに対して,複数のVersionを作りたい,複数の情報ソースをまとめたいなどの場合に重宝する。
- 複数人で編集する際に,コメント・編集提案機能の使い勝手が良い。
- Markdownとの親和性が高い。(#を用いて見出しをつけられる,Markdownとしてコピー・貼り付けができる)
- Wordの長所
- フォント・書式設定の自由度が高い
- フォントワークス・モリサワのフォントをしっかり使える
- 参照設定機能が優れている。
- 特に図表番号の挿入機能をよく活用するが,ドキュメントにはない。(変数機能をこねくり回せば似たような運用ができるらしいけれど……)
- (そのため,卒論は最終的にはWordで仕上げる予定)
- フォント・書式設定の自由度が高い

スプレッドシート vs. Excel
- 総評:データを表でまとめる本来の機能に加えて,グラフィカルに表示できると言う点でスプレッドシートの方が好み。もちろんExcelの方が多機能だが,高度な分析をするならPythonを持ち出すので……
- スプレッドシートの長所
- テーブル機能が優秀
- 表示,入力形式にプルダウンが指定でき,プルダウンに色をつけられるので,視覚的に見やすい表を作れる。
- 一発目で出てくるグラフのデザインが優れている
- (追い込んで調整できるのはExcel)
- Excelの長所
- データ分析ツール・マクロ機能など高度な操作が充実している。

スライド vs. PowerPoint
- 総評:スライドを,機能が絞られていて内容を構造的に伝えることに集中できると取るか,デザイン性に劣ると取るか……
- スライドの長所
- プレゼン時のMeetとの連携機能が使いやすい
- プレゼン時にSlidoのようなQ&A機能を利用できる
- 共同編集しやすい
- PowerPointの長所
- フォント・書式設定の自由度が高い(再掲)
- 作図・Smart Art機能が使いやすい
- 逆にスライドは作図が致命的にしにくい。複数図形の接合・型抜き機能すらないのでベン図を書くことすらままならない。
- ロードマップなんかスライドでは絶対に書けない。その点Powerpointは標準のSmart Art機能が充実しており良い。
- 画像の編集処理も使いやすい
- ソフト内で,彩度・コントラストなどを自由に調整できる。
- think-cellが使える
- 学割期間中で使用しているが,複雑なスライド・表/グラフを多用するときに,think-cellを使うと,簡単・綺麗なスライドが作れる。
- think-cellライブラリが充実している。

まとめ
以上4点の理由と,手頃なお値段により,Google Workspace Businessを使い続けています。もし,クラウドストレージを探している・AIをしっかりと使いたいと考えているような場合にはぜひ検討してみてください!